お米のランク
お米のランクは日本穀物検定協会により毎年評価されています。魚沼産は25年連続特Aと、やはりレジェンド扱いされているだけはあります。
ランキング試験|食味試験|日本穀物検定協会
これは相対評価ではなく、絶対評価であるので、全てのお米が素晴らしかったら全部が特Aになりえます。しかしその中でもずば抜けて評価が高いとされているのが、魚沼産のコシヒカリです。キロ当たり1000円以上します。(ネットでは500円そこそこで時々売っています。。)
魚沼産のコシヒカリも良いのですが、もっと他の産地のお米にも目を向けてほしいというのが、自分の率直な重いです。自分の熱い気持ちは最後に書きます!
その前に、日本国内における中国米の位置づけについて書いていきます。
中国米とカリフォルニア米
TPPで安いお米が日本に入ってくる!どうしよう!ということで、実際にネットで買って食べてみました。ネットでの評価はまずまずで、「日本のお米とあまり変わりません!」とか、「とってもリーズナブルで良いです!」みたいなコメントが書いてあったので、本当にこれが事実ならやばいぞ!と思い、楽天で購入をしてみました。20キロも。笑
なにせ日本と同じ味で、品質検査も厳しいもので、中国米に変な偏見もなく、日本のお米と同じよな感覚で買ってみました。キロ当たり200円ちょっとでしょうか。
中国米はおいしくない
で、結果から言うと、かなりマズかったです。精米してあるお米の匂いがなんとも泥臭い感じがして、本当にこれが日本と変わらない味なのか?と疑いました。さらに米を炊いている時も匂いがおかしい。。。そして実際に食べてみてもやはりマズい。「精米→食べる」という課程すべてが不合格であり、これの何処が日本と変わらないのか不思議でした。人の味覚はこうも違うのかと、母に感謝をする次第です。(もしくは自分がハズレの米を引いただけだったのか。。。)
ファミレスのお米は時々、中国米を使っていると言いますが、確かにあんな感じです。中国米は結構パサパサしますので、ネチャネチャして炊く理由も分かります。
で、残りの19キロをどうしようか迷いました。食べきれない量です。。。いや、食べたくない!ということで、留学生に全部上げました。美味しくないよ?という前提で上げたのですが、喜んで貰ってくれました。
中国米に値段を付けるなら
自分がこのお米に値段を付けるとしたら50円以下/kgでしょうか。それでも買って食べたくない。やっぱり日本のお米はおいしいんだ!と気づかされました。カリフォルニア米はライバルになりうる
また、アメリカのお米、カリフォルニア米の方が、日本に唯一対向できるお米ではないでしょうか?100-200円/kg程度ならばカリフォルニア米を買って食べてもいいです。実際にアメリカ生活では、このカリフォルニア米を食べてきましたが、おいしい!とはいえませんが、毎日食べる分には全然OKでした!
インディカ米に関して
ちなみに、東南アジアでよく食べられる、インディカ米に関してですが、これは完全に日本人に合わないので、中国米とまではいかなくても、それほど美味しく食べられません。チャーハンなどで工夫して食べれば良いのですが、やはり白飯で生きてる我々日本人にとって、毎日チャーハンは無理でしょう。逆に、タイ人の留学生(かなり金持ちでグルメ)に日本のお米はうまいだろ?と聞いてみたのですが、確かに日本米は美味いが、タイのお米の方が好きだ!と言うので、文化というか環境によって慣れ親しんだ味というものがやっぱりあるんだなーと感じた次第です。
ということで、日本人はやっぱり日本のお米がおいしいと感じるんですよね。若しくは、子どもに対して中国米しか出さなければ慣れるのかもしれませんが、それはそれで子どもの舌を心配しますよね。。
日本のお米は安すぎる
農家は補助金を貰って生活をしている。とよく言われますが、それと同時に消費者も補助金を貰って、安い農作物を食べていると言い換える事ができるのです。もし補助金がなくなったら今の農作物の値段は倍以上はします。つまり、今の食費が2倍以上するということなのですが、耐えられますか?
また、もう一つカラクリがありまして、農作物が趣味の作物と化している点です。本気で農業で生計を立てようと思えばかなり困難で初期費用もかなり嵩みます。しかしながら、本気で農業を営まなくても良い人がいます。それが年金生活者。
年金生活費に加えて貯蓄と農業収入がちょこっとあれば、老後としてかなり安定してそして充実した生活を送る事ができる方もいます。そんな農業収入がちょこっと入ればいいな(利益少しでいいよ)という人が溢れたらどうなるでしょうか?
ビジネスにおいて、そんな利益はいらないからとりあえずやっています。というのは、学生の副業的起業に似ている。社会人になると、もっと背負う物があるので、そんな事は言ってられないのだ。ただ、そんな学生が社会に溢れていて、社会人のビジネスをも凌駕している状況が、今の農業と言ってもいい。
なので、これからは年金受給者は、耕作放棄地を耕すなりして何らかの還元をしてもらいたいと思う。ただ年金を貰って優雅に生活をしてもらうのでは、若い世代も腹立たしい気持にもなるので。よって、年金問題は、農業問題に紐づける事ができたらもっと違うストーリーがあるのではないかと思っている。そう、農業をある意味で社会事業にしてしまうわけだ。
しかしながらそうしてしまうと、農業を本気で営む事は困難になる。ただ、今もあまり変わらない状況であるのは確かだ。この問題を農水省を含めてよく考えてもらいたい。今のままズルズルと日本の農業政策を引き延ばしにしていたらキリがない。
ということで、日本のお米は色んな理由があって安いということでした。なので、中国米も買う必要はないと思いますよ。
お米にはストーリーがある
そして、魚沼産の時代は終わったという表題にも挙げた点について。
確かに魚沼産のお米は美味しいが、「高級なお米を食べたい→魚沼産」という安直な考えをもって選んでほしくないです。昔の魚沼産は知らないので、もしかしたら魚沼産は圧倒的な価値があったのかもしれない。しかしその時代は終わりました。今じゃ、ほとんどの地域で特Aがランク付けされる程に、お米の品質が上がっています。
お米を作る際には、まずは品種作りから入ります。
ただ単に、育てる課程が良いからと言って、良いお米ができるわけではありません。もちろん、良い品種を使っているから、自然とおいしいお米になるわけでもない。
JAを中心に品種の研究がなされ、そして究極な品種が出来上がったところで、今度は地域の農家さんにそのお米を作ってもらいます。で、最終的には◯◯産コシヒカリのように売り出されるのですが、その地域の農家さんのお米が全部ブレンドされて売り出されています。
だから、その銘柄のお米の中には鈴木さんのお米や佐藤さんのお米、もしくは他の農家の人のお米が混じっている状態です。それでも平均しておいしいお米が食べられるのも、地域で団結して同じ美味しい物を目指して作っているからです。悪く言えば、個性がないということだが、地域という個性を出す事によってそれは達成されているようにも思えます。最近では、個性的なお米を作ってネット販売や対面販売を強化している農家さんもいますが、農家さん同士の横の繋がりもあるので、なかなか身勝手にできる物ではないですよね。。。
しかしながらこうしたストーリーを見ていると、JAのリーダーシップやその地域の農家さんの団結力と努力が垣間見ることができます。そのストーリーは各地域によって違っていたりするので、自分でよく調べてみると愛着が出てきます。まずは自分の地域のお米を調べてみる事から始めると、見方がもっと変わるかもしれない。良いお米を食べたいなーと思ったら、実はそんなお米は目の前にあったりするものです。
と、JA嫌いな僕がここまで紹介したのだから、本当に皆にお米を始めとした農作物のそれぞれのストーリーを知ってほしいと思います。もちろん、ストーリーを知るという事は、お金の掛かることです。ストーリーが良い物程、高かったりします。心とお金、そして時間に余裕のある人こそ、こうしたストーリーを辿ったグルメをしてほしいと思います。
Amazonやスーパーで買うばかりでなく、もっと知りながら、その先で購入して頂ければなと思います。それが農業活性化の一歩でもあります。
と、アメリカにいるくせに、日本のお米を語ってしまった為に、日本米が死ぬ程恋しくなる今日この頃。食にうるさい日本人でありますが、本当に海外へ行く度に感じさせられます。食の街で括れる日本の素晴らしさを。
では