センセーショナルなタイトルになってしまいましたが、まぁ事実だと思います。
ただし、セブンイレブンが仕入れているおかずや骨無しチキンが海外産だから自給率に貢献をしていないという話ではありません。
さて、なぜセブンイレブンが消えると食料自給率が上がるのでしょうか。
以下が、よく言われる約40%の食料自給率の元の計算式です。
『1人1日当たり国産供給熱量』(942kcal)÷『1人1日当たり供給熱量』(2,430kcal)
平成24年度では、この国産供給熱量が942kcalで、供給熱量が2,430でした。 詳しくは、農林水産省のホームページ、「食料自給率とは」のページにあります。以下は一部をキャプチャしたものです。
さて、この式の分母に着目して下さい。供給熱量というのは日本全国で供給されている食べ物全てを1人あたりに換算したものです。輸入したものそして生産したもの全てを供給熱量に換算してます。
つまり、廃棄するであろう食品も実はこの分母にも入ってたりします。それを考えると、一時期セブンイレブンでバイトをしていたので実感として分かるのですが、あの廃棄量はとてつもないです。学部の時にも、セブンイレブンのマーケティング等についても調べた事があるのですが、セブンイレブンなどのコンビニエンスストアは、もちろん品物が命です。あの弁当等の商品の陳列が少ないと、客も次から来なくなってしまうのです。なので、商品が命というかライフポイントのようなもので、商品がジリジリなくなりそうになるというのを極力避ける為に、大量に仕入れて見栄えを良くするのです。常にライフポイントMAX!みたいな。
ということで、1万店を超えるセブンイレブンや他の店から出る廃棄が消え、みんな国産を売り出しているスーパーで買い物をすれば、自給率は普通に上がります。
さてさて、セブンイレブンの話から今現在の自給率の話をしましょう。農林水産省のホームページにあるように
畜産物については、国産であっても輸入した飼料を使って生産された分は、国産には算入していない。
という項目が気になります。
実は、私たちが食べている卵のほとんどは自給率に貢献していません。笑 あの卵を生み出しているニワトリさんは、海外から輸入した飼料を食べているので、その場合は自給率は0です。役人さん的には、「もし、海外からの飼料が止まってしまえば、その鶏は生きる事ができないし、卵も産めない。なので、海外飼料を使っているものは自給率には入らない」という事なんでしょう。。。アホですね。
この話を進める為に、農業の生産性についても見てみます。
昔と現在の収穫量の違いですが、
1960:400kg/10a
2006:507kg/10a →100kg上昇
また、労働時間についてですが、
1960:404時間/10a
2006:92時間/10a →300時間も減少→240,000円分(時給800円換算)
この違いは何から来てるのでしょうか。それは科学技術の進歩に他ならず、優秀な品種や肥料を生み出し、ヤンマーさんなども素晴らしい農機具を作ってこられました。
ただし、肥料は特に輸入品ですし、農機具を動かす燃料(ガソリン)も輸入。。。また農業に限らず、魚を生業とする為に必要な船を動かす燃料も、もちろん輸入です。
多くの農家が仕事と両立している兼業農家で、その兼業農家が現在の農業を支えています。その兼業農家が輸入品のガソリンを使わずに、手作業だけで農作業をやるとなれば、日本農業は終わります、笑
というわけで、タイトルの解はここででました。ニワトリさん理論と同じく、今の日本の農業は輸入品が無ければ成り立ちません。なので0%です。
つまり、日本はどっちみち輸入に頼らなきゃいかんという意味で、自給率とかいうしょうもない所に焦点を当てるよりも、外交する上での交渉や、商社など民間の会社の力を伸ばす方向性で考えるべきなんですよね。
中国がレアメタルを輸出しない!と言った時にとった日本の商社のスピード感は素晴らしいものでした。
そういうわけで、自給率は語る必要がないのです。農業経済学者や経済学者などはこの事を理解しているが、どうしてもメディアがうるさいので水道橋博士じゃありませんが小銭を稼ぐ為に、渋々自給率の話を一応してる、と僕は思ってます。
最後に。セブンイレブンの自給率問題は環境問題にも繋がれば、まあ自給率論の意味もあるのかな?と思ったりもします。
そもそも私たち日本人(世界)は、環境問題に対してそこまで強い思い入れっていうのはないんです。原発を使わずに石油燃料を使いまくってエレベーターという先進的な乗り物で楽をしたがるし、エコカーとは言っても結局は排気ガスは出すし、食べ残しも許容されている。。。
「自給率」という言葉は様々なアンチテーゼを我らに示したく、役人さんが持ち出した言葉なんでしょうね。
ちなみに自給率という概念は日本と韓国でしか使われていません。
では!