ApplePayのビジネスモデルについて
ApplePayは日本で、どのように使えるのか?という点も気になるとは思いますが、ジョブズなきAppleのApplePayにおける戦略も気になるのも確か。ここでより詳しくレビューしていきます。
今回は、こちらの記事を参考にしています。
http://prsm.tc/OkfB0y
さて、マクドナルドなど全米で22万店で使えるようになるというApplePayですが、自分が行く店である"Walmart"や"Best Buy"の文字がKeynoteに無い事を残念に思っていました。そこで、上記記事にもあるように、なぜWalmartには導入しないんだ?という疑問を電子決済市場を踏まえて解説したいと思います。
まず、Best Buyについてですが、数年前にNFCでの決済システムは既に導入していたようです。しかしながらコストに見合わないという事で、NFC決済をやめています。
これはいくつか理由が考えられると思いますが、利用者が圧倒的に少なかった事が一番の理由としてあると思います。こうしたプラットフォームにおいては、システムが成熟するのが先か、利用者が増えるのが先なのか。という鶏卵の関係がよく起こります。なので、ある意味今回のApplePayにおいては、事前に導入する会社を多めに提携しておいて、さらに皆が注目するKeynoteで発表するというのはタイミング的に素晴らしいと思います。システムも利用者もどちらも担保をもった上でサービスがローンチできるのですから(小さいベンチャーはそれがなかなかできません)
そういえば、GoogleWalletなるものも以前発表されましたが、音沙汰がありませんね。笑
Walmart, Best BuyでApplePayが導入されない理由(ワケ)
さて、話を戻して、ApplePayのリストにWalmartやBestBuyの名前が無かった理由として、プラットフォームの齟齬があるらしいのです。
実は、Walmart等の小売店鋪達で作ったジョイントベンチャーがありまして、その名も "Merchant Customer Exchange" 略して"MCX"
このMCXはAndroidとiOSにあるhttp://currentc.com/というアプリを使っているのです。これは、NFCを使わずにQRコードを発効してそれを読み取らせる事で決済をするというシステムになっています。NFCいらず!
さてさて、このMCXとApplePayのライバル関係は以下のようになっております
セブンイレブンを持つMCXはかなり強いんじゃないでしょうか?店舗数においてもShellやセブンイレブンを擁するMCXの方がApplePay以上に力があると思います。また、MCXはNFCに依存しないので、どのような端末でも決済ができるというのが強みになっていると思われます。
ちなみに、Targetが、どちらのプラットフォームに入っているのが気になるところですが、、、笑
スピード感については、ApplePayが先を行っていますので、先発者のApplePayが勝利を掴むのか、それともMCXが数を活かして勝利を取りにくるのかが、今後のみどころです。
また、このApplePayの気になる手数料ですが、100ドルで15セントらしいです。日本円でイメージすると、1万円で15円の手数料。。この数字はAppleの取り分なのか、小売店の手数料なのか定かではありませんが、どちらにせよ、破格での提供になると思われます。
日本の電子決済プラットフォーム
日本における電子決済のプラットフォームは多岐に渡っています。
nanano,Edy,Suica,iD,QuickPay,etc...
これらの電子決済プラットフォームを請け負っているのは
イトーヨーカドー(セブンイレブン)、楽天、JR、docomo、JCB、、、ということで、それぞれ仲良くやっています(笑
日本において一強になっている電子決済PFは現実ではありません。というか、乱立し過ぎですよね。セブンイレブンにおいても、nanacoという電子決済システムを持っているにも関わらず、他社のPFを受け入れていますよね。もちろんライバル関係も存在していて、ファミマやローソンではnanacoでの決済はできません。
それでも電子決済のPFはアメリカよりおおらかですよね。
アメリカのTargetのように一つの小売が多くの決済PFを引き受けるということが日本では当たり前になっていることなのに、アメリカにおいてそれができないのはなぜでしょうか。やっぱりプラットフォームを牛耳たいのでしょう。
AppleのPF戦略
Appleは今までプラットフォームをいくつも作ってきました
アプリやiTunes等です。
しかしながら、ApplePayは言い換えるとNFC付きiPhoneに他ならないのです。これでAppleがどのようにしてプラットフォームを築き上げていくのか謎です。まず、日本においてその市場が奪えないのは確かですよね。アメリカにおいては、どうしてもそれを達成したいが為に独占契約を結んでいる可能性が多いです。つまり、ApplePayを店に導入するなら他の決済PFは導入するな!という圧力でしょうか。
しかしながら何かしらの勝機があってやっているのならいいのですが、まだまだ見えない勝機。。。
ApplePayと言うぐらいなら、それなりのプラットフォームを作ってくださいね!
まとめ
iDやQuickPayに比べると、ApplePayの決済は遅い。もちろんセキュリティ面で言えば、iDやQuickPayより勝っているでしょうが、毎回毎回センターに問い合わせる必要があるので、時間が掛かるんですよね。もし、日本にApplePayが浸透したとしても、僕は使わないと思います。もちろんスタバにApplePayのみの導入なら使うでしょうが、ApplePayではなく、iPhoneについた"NFC"が魅力的なのです。
これからも米国における決済市場は見所ですね!
では!