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若者のクレジットカード離れはミスリーディング。突っ込みどころが3点程

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クレジットカードの読みものから

クレジットカードの読みものは、情報源として重宝しているのですが、今回のこれはミスリーディングだったと思います。
http://cards.hateblo.jp/entry/wakamono-no-cardbanare/
http://cards.hateblo.jp/entry/wakamono-no-cardbanare/


こちらもブックマークを結構稼いでいたのですが、内容を見てみると、結構反対意見というか、真面目に突っ込んでいる方が多かったです。

id:usausa1975
20代前半はまだ学生の人も多いわけで、「離れ」というなら過去のデータと比較しないと


id:domimimisoso
ウチの退職済みの70代の親は、あちこちの量販店で店のポイント付クレジットカードを店の言うがままに作らされて、合計10枚ぐらい持ってた。ある時「さすがに減らしたい」と頼まれたので俺が片っ端から解約した


id:nakakzs
「持たない」のか「持てない」のかによって、大きく話が異なるのだが。


id:aosiro
過去との比較もしないで離れたとか


id:magi00
毎年やってるから過去のは簡単に出てくるが2005年度版→
http://www.jcbcorporate.com/news/pdf/dr-469.pdf
これだと若干減ってはいるが2013年の20代男性は72.2%だから今回増えてるし顕著と言われてもな。


id:cyberglass
グラフが起点が0ではないので見かけ上の差は大きく見えるけど、各世代そんなに大きく変わってはいない。


ただ、審査が通らないのでは?という意見もあります。

id:chi-ko0901
単に審査に通ってないだけでは?と思った


id:ken0710suda
審査に通らないんでしょうね。


これは、今も昔も同じことです。若者の審査が通るか通らないのかは、どの時代も厳しいかと思います。つまり、前の時代と同じ審査であり、審査が通らない若者が多くなったのなら、若者のクレジットカード離れではなく、クレジットカードの若者離れという表現がよいかもですね。


まさに以下の方が言い得てます

id:tiisanaoppai
与信とおさんだろあほか。カード会社が離れていったんだ。


注釈にもありますが、ご本人からも

id:cardmics
ただ言いたかっただけです、若者のクレジットカード離れ…。

ただ、ここまで読者数があるので、"ただ言いたかっただけ"というのはちょっとなと思うのです。


さて、ここで明確にすべき課題があると思うのでその点について触れていきましょう。

グラフ

まず、こちらのページはグラフの基本が載っています。
グラフの描き方


これより、棒グラフで0から始まらないのはナンセンスであることは分かったはず。この前のセンター試験で、棒グラフで0から始まらなかったということで、問題になりましたよね。
平成27年度センター試験の倫理で問題のある棒グラフが出題|Colorless Green Ideas


よって、JCBのグラフ自体、印象が悪いものです。


よって、こちらのグラフに関して、クレカ読み物の方で突っ込んでほしかったです。


審査について


"アメリカはクレジットカード社会"と言われています。マクドナルドでもカフェでもほぼ全てのお店でクレジットカードが使えます。僕も皆クレジットカード使っているんだと思ってましたし、カードのスワイプをよく見ます。


ただ、よくカードを見てみると、ほとんどの方がデビットカード。


つまり、クレジット(信用)を与えられているのではありません。銀行からの即引き落としなので、クレジットカードのように、1、2ヶ月後の決済ではありません。つまり、アメリカ人はクレジットカードではなく、デビットカードもよく使うという事が分かりました*1


実際の数字を見てみましょう。

U.S. Census Bureauによると、アメリカにおけるクレジットカード所持者の数は
2000年で1.59億人
2008年で1.76億人
2011年で1.83億人です。


アメリカの成人の数は2.2億〜2.3億人と言われているので、アメリカのクレジットカードホルダーの割合は、80%〜83%と予想できます。


日本は87%~90%という推移がありますので、アメリカより5%〜10%も割合が大きいのです。なぜ、こうもアメリカの割合が日本よりも低いのかを考えるといくつかの要因があります。もちろん、アメリカは格差があって、単に審査が通らないんじゃないの?という問題もありますが、それ以外の考察についても明日にポストしますね。自分で言うのもなんですが、結構面白いと思います。


ということで、今回のJCBのデータは「若者の審査」について考えさせられる大事なデータですので、その意味では、よい課題提示になり得るでしょう。アメリカの現状と日本の現状を比べてみて、それぞれの国のマクロな問題まで落とし込めると良い"卒論"にはなると思いますよ。経済学部の方はチャレンジしてみては。


若者の◯◯離れ

f:id:noon8:20150222081649j:plain


はっきり言って、一番めんどくさいのがこれです。


なんでもかんでも◯◯離れと言っちゃえばいいんでしょ?というのが、凄くむかつきます。笑 一応僕も20代なので、「若者」の括りに入ると思いますが、一々「若者の◯◯離れ」って言ってるのが本当に悲しいです。


◯◯離れというのは、確かに数字を眺めれば簡単に言えちゃう事かもしれませんが、どうして若者が離れているのか。そもそも若者が離れているのではなく、時代の変遷でその産業が廃れているのではないか。など、その先にある背景が大事なんだと思います。


むしろ、数字だけをみて、あたかも相関しているかのように見せつけるのは本当にほっとけません。クレジットカードに関しても、メディアは「若者のクレジットカード離れ」を主張してきそうですが、本当にそうなのか?と疑うことが大事だと分かりますね。


しかも「ただ言いたかっただけ、クレジットカードの若者離れ」と注釈などで付いているのが、一番納得していません。若者に対する印象をどうしたいの?という純粋なツッコミと、ただ言えばよいという思考停止さ加減が僕は許せなかったのです。


最後に

で、よく調べてみるとクレジットカードの読みものの記事で同じものが昨年の9月にもありました。
http://cards.hateblo.jp/entry/creditcard-hoyu-data/
http://cards.hateblo.jp/entry/creditcard-hoyu-data/

上記でも、高齢者の方が所持率高いので、若い人もクレジットカードを持とう!という内容がありますが、そもそも審査の問題もありますしね。それを今回の新しい記事の方で訴求しています。


今回の記事のオリジナルな点はどこなのかを、前回の記事と照らし合わせて言及してほしかったです。まあそれは書き手の自由ではありますが、こうもミスリーディングを誘うような記事を連発させられると、何かしらの言及はしたくなります。


また、本記事は、記事の批判も含まれていますが、個人への攻撃をしているわけではありません。


ミスリーディングを誘うようなタイトルがはてなのトップに来ている事に疑問を感じて、今回ポストしたまでです。こうして、色々な記事が批判を繰り返していくのはとてもよい事だと思っています。是非、自分の記事に対しても誤りや変な所があれば突っ込んでほしいです。



ということで、今回の記事はとりあえず「若者のクレカ離れという考えは早計」という主張であり、本当にクレカ離れしてるかもよ?という点には触れていません。それはまた別の機会で触れたいと思います。


今後明らかにしたい点は

  • 若者の数字が低く、高齢者の数字が高いのはなぜか。
  • クレカ離れは実際に進んでいるのか?
  • 日本とアメリカとの比較

あたりです。まあイメージで分かる部分もありますが、僕はデータの裏付けが欲しいのです。



以上、では!

*1:現金を持ち歩かないということです。