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献血のメリットやその条件:僕が献血をおすすめする理由は血液検査だけじゃない!

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最新更新日 : 2020/05/03

目次

1日平均3,000人の患者さんが、輸血を必要としています*1
1ヶ月だと約10万人分。

現在、コロナ禍する社会の中で、献血の数が減っています。

2020年5月に、献血ルームへ行ってきましたが、
基本的に予約者のみを受け入れている状態でした。
(献血ルームによって異なるので、お電話で事前に確認すると良いです。)

アルコール消毒も常に徹底された状態で、体温の管理もされておりました。

後ほど詳しくありますが、血液は血液型占いに出るABOの4つだけではなく、
HLA型という数万通りにも及ぶものまであります。*2

毎日たくさんの人が献血に協力してくれれば、どこかで確率的にHLA型が合致するのでしょうが、
制限が掛かっている今、なかなかHLA型がうまく見つかることが難しくなってきているかもしれません。

献血に登録し始めてもう10年経とうとしていますが、
HLA型が合致するということで、初めて献血の依頼を受けました。

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献血協力依頼のメール


実際に3000人の患者さんが輸血を必要としていても、
予備であったり、型の問題など、より多くの献血を必要とされています。

緊急事態宣言下とは言いつつも、献血は不要不急ではありません。
体調が万全な時、心にも余裕がある時、
エチケットに気をつける時に、是非献血に行ってみてはいかがでしょうか。
ただし、決して無理をしないように。

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献血のメリット

複数回献血クラブ

献血には、複数回献血クラブという過去の献血記録を見たり、成分献血の予約などができるサービスがあります。

また、血液が足りない時に優先的に電話が掛かってくるので、ボランティア精神溢れる方は複数回献血クラブに入っておくとよいでしょう。


僕も、献血に行き自分の健康チェックをしつつも、不測の事態に僕の血液が役に立てば良いなと思い登録しています。

過去の献血記録も見ることができるので、健康管理としても優秀なサービスだと思います。


血液検査:血液の成分検査ができる

献血をすることで、生化学検査(γ-GTPやコレステロールなど)や血球係数検査(赤血球数など)を知ることができます。

自分の健康を知るという意味でもメリットがあります。

特にコレステロール値やγ-GTPの値は血液や肝臓の健康を直接知るための指標になります。

健康管理という意味でも献血にはメリットがあります。


こちらが実際の成分検査の表になります。僕の数値は全て正常値ですが、これからも健康維持に努めたいと思います。
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この表にあるγ-GTPは肝機能を、
グリコアルブミンが血糖についての指標を表します。

かなりしっかりと調べることができます。

もしこれらの成分検査を病院で行うとなれば、数千円以上お金がかかってしまうのでお得感がありますね!

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血を抜くことは健康維持のためにも良いと言われているその真相

血抜き療法として「瀉血(しゃけつ)」というものがあります。

「血を抜くことで身体の老廃物を一緒に出す。血を新しく作ることで新陳代謝を高める」などといった効果が期待されていると言われています。

瀉血についてはウィキペディアを参照にしてもらいたいのですが、、、
瀉血 - Wikipedia


献血に行き身体の血を抜いて健康になる!
というのは、そもそも裏付けられたデータというものがありません*3


医学療法的に血を抜く行為はあります*4が、献血可能な人(一般的に健康な方)が血を抜くことで健康になるという健康術はありません。

噂では血の循環が良くなって肩こりがなくなる!
なんて記事もあったりしますが、そのような根拠はなしです*5

科学的根拠を持って良しとされているわけではないです。

ただ、個人的に血を抜く行為は、
オカルトでもいいから「献血は体に良い!」
と勝手に解釈して、個人的に献血を楽しんでいます。


慢性的に貧血の方などは、
血を抜く行為よりも血を作ることに専念してくださいね。

献血前に血液の濃さをチェックされます。
貧血の方はそもそも献血ができないでしょう。

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エイズ(HIV)を目的とした検査は無理

献血をすればエイズウイルス(HIV)の検査結果も聞けるという噂もありますが、それは間違いです。

現在では、そうした不純な目的(エイズウイルスの検査)で来る人を防ぐために、
エイズに感染しているかどうかの検査結果は通知しないようになりました。


もしエイズウイルスの検査をしたいのであれば、
最寄りの保健所で匿名かつ無料で行うことができます。

エイズ検査を目的に献血を行っても無意味ですし、
何より思わぬ事故に繋がるだけですので、絶対にやめましょう。


献血による記念品

献血センターによって異なりますが、献血を行うとその回数ごとに贈答品や軽いお土産を貰うことができます。

インスタントのカレーやふりかけなどを貰ったりできます。

また、全ての献血センター共通で、10回以上の献血に協力された方には、その都度に表彰されるようです。

顕彰の規定は以下のとおり。

献血の回数 記念品
10回・30回・50回の倍数 ガラス器
60歳で50回以上を迎える ガラス器・感謝状
68歳で50回以上を迎える 感謝状
70回以上 銀色有功章
100回以上 金色有功章


100回以上の金色有功章が欲しいと思うのは僕だけでしょうか。
皆さんも欲しいですよね!!!
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感謝状やガラス器、金色有功章は全て赤十字や患者さんからの感謝の意を表しているのでしょう。
これありきで献血するのも良いと思います。

達成感を味わうためにも献血を行い、それがまた人のためになるんですから。


僕も10回目の記念品を頂きました。
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10回目の記念日にはポイントが溜まってティッシュペーパーと、20代ということで付箋紙も貰いました。

これも人のためになると同時に自分の満足度も上がりますからね。
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献血ルームでくつろげる空間!

僕が献血の一番のメリットと思っているのが、献血ルームの空間です!


献血ルームは、採血後に休憩できるようにゆったりとした空間を作っています。

そしてなんとジュースやお菓子が無料で飲めたり食べられたりできます!

Wi-Fiスポットもあったり電源もあるので*6、快適にパソコンで作業することだってできるんです!


人のための献血でもありますが、その後はリラックスできる環境でくつろげるというメリットもあるので、それで僕は献血が好きになったのかもしれません。

なので、400mlや200mlの献血しかできず、ゆったりと休めない献血バスでの献血は過去に1,2回しかありません。

それでも献血バスはスムーズなので忙しくてなかなか献血できない方にも是非行ってみましょう。

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献血後注意すべきこと

血液の回復はどれぐらいか

献血で400mlなどを抜かれると、体内の血液量は大丈夫なのか心配になりますよね?

でも安心してください。

血液量でいえば3~4時間程度で通常時に戻ります。

ただし、赤血球の回復には3~4週間は時間が掛かるので、血液量が回復しても成分としての回復には1ヶ月程度は掛かります。


なので400ml献血をした後は3ヶ月献血ができないような制度になっています。

成分献血は2週間で献血ができるようになるのは、血漿や血小板の回復は赤血球と比べてとても早いからです。


気分が悪くなったら

実は僕が体験したことなのですが、献血をした後に気分が悪くなったことがあります。

しかもそんな時に限って尿意を催すんです。。。

その時はトイレまで車いすを使って行きました。笑


このように献血をすると気分が悪くなったり、立ちくらみをすることがあります。

献血後平気でも水分を十分に取ったり、ゆっくり献血ルームで休むなりしましょう。


また献血後のトイレは血圧が下がる可能性がありますので、男性の方は必ず便座でするように。


献血ができる条件

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生きるために、どうしても血が必要な人達が存在しています。
そうした人を助けるためにも「献血」というのは小さな一個人ができる大きな人助けだと言えるでしょう。

しかしながら、そうした気持を持っていても、献血するためにはどうしてもいくつかの条件を満たさなければなりません。


誤解を恐れずに言うと、輸血される血液が汚染されているのはマズいです…
感染リスクの無い安全な血液である必要があるからです。
では、どのような条件を満たしていなければならないのでしょうか。


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6ヶ月以内に以下が該当したら献血不可

まず6ヶ月以内に

  • 不特定の異性または新たな異性との性的接触
  • 男性同士の性的接触
  • 麻薬、覚せい剤の仕様
  • HIV(エイズ検査)の結果が陽性だった(6ヶ月以前も含む)
  • 上記に該当する人と性的接触

これらの1つでも当てはまってしまうと献血はできません。
これらはエイズ感染等の感染リスクが高くなってしまいます。

できるだけそうしたリスクを排除するために上記の縛りをもうけています。

もちろん麻薬などを使用した身体の血液で献血なんてのはもってのほかです。
同時に、麻薬の使用の際の針の使い回しによるエイズ感染もリスクとして十分に考えられるのです。


その他献血ができない条件

6ヶ月以内に上記に該当すればもちろん献血はできませんが、それ以外にも

  • 3日以内に出血を伴う歯科治療を受けた人
  • 4週間以内に海外から帰国した人
  • 1ヶ月以内にピアスのアナをあけた人
  • 輸血や臓器の移植を受けた人
  • プラセンタ注射薬の使用
  • 梅毒やマラリアなどの重大な病気にかかった人

上記のように感染症のリスクのある人や、血液がまだ安全に輸血できない可能性がある人も献血はできません。

例えば親知らず抜歯後だと、傷口から菌が入っている可能性もあります。

4週間以内の帰国になると、何かの病気に掛かっている可能性もあります。

僕も留学から帰ってからすぐには献血はしませんでした(できませんでした)。

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分からなかったら電話で問い合わせ

また、3日以内に薬を服用している人や1年以内に予防接種を受けた人なども検診医による判断が必要です。

事前に自分の服用している薬(常備薬)が献血しても良いのかどうかは電話などで確認することもできます。


医師による当日の判断

以上、簡単に献血ができない条件を書きましたが、最終的な判断は当日の検診医に委ねられます。

条件的には全て大丈夫なのに体調に少しでも不安があれば、献血はできませんし、薬の使用用途によっては、断られる可能性もあります。


行ってみなければ分からないことも多いのです。
ドナーとして100%献血は保証できませんが、是非余裕があれば献血センターへ行きましょう。
ボランティアなので、強要できるものではありませんが、余裕があるときに、是非!


血液の売買は禁じられているが気になるお値段は?

もう数十年前に「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」によって、血液の売買は禁じられるようになりました。

そもそも血液の売買が許されてしまうと、それを目的に群がってしまう人が増えてしまいます。

自分の血液の安全性を鑑みずにむやみやたらに献血する方や、
体調管理ができていない貧困の方達で溢れかえってしまう...
という問題がありました。


ちなみに、取引されている血液の値段は
400mlで18,000円というのが相場らしいです。


また、血小板などの成分献血になるとその数倍の値段で取引されます。

看護師さんに、成分献血の値段を聞いて驚きました。
ここで書くことは控えておきます。。。

どれだけ自分の血液が高価なものであるのか身にしみました。


しかし成分献血(血漿や血小板)は、血を抜くだけでなく、さらに血液から成分を分離する必要があります。
とても手間が掛かるので、どうしても費用が嵩んでしまいます。

これが成分献血が400mlの血液よりも高価になってしまう理由です。

しかし、400mlの血液が2万円弱するってのも普通に驚きですよね。

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先日テレビで観たのが、中国のある農村では、売血が産業として活発化してしまい、終いには針の使い回しによってHIVが蔓延してしまった経緯があったそうです。

そして中国の薬品会社によって今度はHIVの治験に利用されてしまい死者まで出たようで、、、
売血が産業として活発化するというのも衛生的にも社会的によくない結末が待っていると思います。


だからこそ、献血ドナーはボランティアが基本であるべきであり、安全な血のやりとりに際して、それなりの経費がかかってしまうというの頷けると思います。

日本赤十字社も寄付の中抜きや天下り先など、稀に批判もされています。
赤十字に対して強いアレルギーのある方は無理に献血をしなくても良いですが、人のため、回り回って自分のためになるとおもいます。

血を必要としている人がいるのならば、健全である今の自分の血を存分に利用してもらえたらそれでいいと思っています。

献血で導入して欲しい制度

貢献度による輸血制度

献血をする人もいればしない人もいます。

ボランティア感覚でやっているのですが、もし自分が事故にあった時は、少しは優遇してもらってもいいんじゃないかなーなんて思ったりもします。

これまで貢献してきた人を優先的に輸血するという制度を作れば、みんなが献血を真剣に考えると思うんです。


血液もご存知のように型が異なっていますので、同じ型がない場合は、順番待ちになったりします。

そうした時の優先順位制度を作ってもらえたら純粋に嬉しいです。

しかしそうした制度がなくても献血はこれからも行きます。

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回数に応じた健康診断

赤十字では人間ドックを行っているので、献血の回数に応じて人間ドックの割引制度などがあれば良いなと思いました。


赤十字が持っているリソース(病院としての機能や血液センターとしての機能)を掛けあわせることで、さらに献血をする方が増え、そして健康な人が増えるという好循環になると思います。
これって凄くいい制度だと思うのですが、赤十字さんは是非検討して欲しいです。


血液型はABOだけでない!HLA検査について

血液型と言うと、A型、B型、O型、AB型の4つがあるというのは常識*7です。

血液型占いが大好きな日本人は知らないはずがありません!笑

しかし、血液は単純に4つに分類できるものではありません。

血液型というのは主に赤血球の型を示しており、白血球にも実は型が存在しています。

HLA(ヒト白血球高原:Human Leukocyte Antigen)と呼ばれるものですが、その型は数万通りあると言われています。


このHLAは移植などで重要になってくるので、同じ血液型と言えども拒否反応を示す場合があるので、さらに分類してHLAが適合するかまで調べなければなりません。


血液型は、両親の血液型の組み合わせであるのと同様に、HLAも両親のHLAの組み合わせになるので、兄弟がいれば全く同じHLAの型になる確率は4分の1と言われています。25%と言われるとすごく高確率なイメージをしてしまいますが、実はその型の組み合わせは全くの他人と一致するには数百〜数万分の1の確率とまで言われています。


赤十字ではHLA検査の協力もお願いをしています

以上のように、通常の血液型とは異なるHLAこそ自分の情報を登録しておくべきものと言えるでしょう。
血液型のみならずHLAが適合するドナーを探している方も大勢いらっしゃいますから、
献血に久々に行くという方は、このHLA検査の協力要請に快く受けていただければなと思います。


メールや電話等で連絡をしてくれるので、無理強いはされることはありません。
電話が嫌ならメールだけというのもOK


血液型占いみたいにHLA占いなんてのも出てきたらそれこそ奇妙です。笑
4つの通りしか存在しない血液型占いより、
数万通りあるHLA占いの方がまだ信ぴょう性がありそうですが、
そこまでいったらWHY JAPANESE PEOPLE!!!ですw 

HLA型は、ABO型のように献血では知ることができません...
知ったところでもどうすることもできませんが。。


ちなみに海外では血液型占いは存在しませんし、
プライベート情報なので、むやみに外国の方に血液型を聞いたりしないように!

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日本における献血の現状と課題

この論文に日本における献血の現状と諸外国との比較について書かれていました。
我が国の献血の現状と課題

とても興味深い内容です。

ザックリとまとめると、
日本は他国と比べると、

  • 血を取れる対象者が狭い
  • 血を取る際の量が少ない
  • 献血に行けるサイクルが長め
  • 血の保存期間が厳しい(有効期限切れが早い)

という現状のようです。

だからと言って、これらを緩和すると別の問題を引き起こす可能性もあります。
日本は他国よりもより献血に対する意識を高める必要がありますね。


献血は、輸血を希望する患者さんの他にも、
研究に使用するため、有効期限切れも含め「血液の有効利用」もされております。

  • 血液製剤の有効性・安全性の向上及び検査法の向上
  • 病気の診断・治療法の開発が促進され国民の健康状態の改善などに役立つ

可能性があります。


まとめ

献血ルームは綺麗な場所で、素晴らしい立地にあったり、そしてお菓子もジュースも無料。どれだけ赤十字は儲かっているんだ...と疑いたくはなりますが、人のためと思って献血をするのも良いですし、献血ルームでくつろいだり、表彰を受けるためなど自分のために献血をするのもありだと思います。


今は10回程度しか献血はしたことありませんが、当然目標は100回です!自分のため、そして他人のためにもこれから献血ライフを送りたいと思います!


献血デートなんてのも流行ればいいなと思いますが、こういうデートを嫌がる人もいると思うので、1人でこっそり行くのがオススメです。笑


では!

*1:https://www.kenketsu.jp

*2:参考: iPS細胞技術を利用した再生医療とその課題

*3:近年の瀉血に関する論文を読みましたが、献血可能な人が血を抜いても健康になるというエビデンスはなく、むしろ「昔は副作用の方が大きい瀉血が行われていた」と言われるほど。 参照: 全人的医療の歴史と展望 永田勝太郎(国際全人医療研究所)

*4:Erythropoietinと瀉血を併用した鉄過剰症の治療

*5:検証もされていないし、反証もされていない、という「効果あるといいね」レベルです

*6:献血ルームによって状況は異なりますが。

*7:同じA型でも+と-がありますがここでは割愛します