※この記事では奨学金を学生ローンという定義で使っています。Scholarshipという意味での奨学金ではありません。
延滞者の50%近くが返済義務を知らない?!
http://cards.hateblo.jp/entry/shogakukin-hensaigimu-shiranai/
これを読んで*1、初めて延滞者というのがどれだけ恐ろしいのかを知りました。笑
まず、奨学金を借りている人が返済義務を後から知るというのはほとんどありません。なぜかというと、奨学金を借りる際の啓蒙活動がきちんとなされているからです。もし借りるようなら、学生支援機構の作った奨学金は返さないといけないよ!というビデオを観せられるので、「知らない」はありえないです。
金利などの説明も受けますし、借りる際の契約書にも固定金利や変動金利のどちらかを選択しなければならないのですからね。
なので、このデータを見た時に思ったのが「宿題を忘れました。宿題がある事を知りませんでした。」という言い訳にしか聞こえないわけで。そんな人の話を聞かない人、もしくは責任のない人がそういうのがデータに反映されているのです。
延滞3ヶ月でブラックリスト入り
奨学金の返済を3ヶ月怠ると、その情報が個人信用情報機関にいってしまい、いわゆる「ブラックリスト」に入ってしまいます。ブラックリストに入ってしまうと、クレジットカードや車、家のローンもままならないでしょう。また、携帯電話の契約についても難しくなる場合があるようです。
ちなみに、この3ヶ月以上の延滞者は約6%存在しているようです。意外と多いです。
独立行政法人日本学生支援機構 | JASSO
もし、どうしてもお金が返せないのであれば、その旨をきちんと申し出れば返済期間の猶予もしてもらえます。何の報告もなしにただ延滞するというのは、もう救えない状況ですよね。
学生支援機構はヤクザ?
よく面白い意見が飛び交うのが、「ヤクザのような取り立てを行うのが支援機構のやり方」だというもの。
そもそもの話が、お金を借りて返せないのならば、借りるべきでないでしょう。「返すのを知りませんでした」はもちろん言い訳にはなりません。大学院に限れば、一定の優秀な成績を残せば、奨学金は免除になりますし、親に不幸があってもそれも免除の対象にもなります。
また、ローンも変動でMAX3.0%の金利なんて安いものです。現在は2%前後の金利なので、変動の返還にしていても底なし沼のように金利が無限に高くなるわけじゃありません。もちろん固定金利はやや変動より高いですが、金利も3%未満です。さらには金利が0%の奨学金だってあるわけです。しかも返済期間は20年弱と長く審査も甘い!*2こんな優良な金貸しはいません!笑
ここまで優遇されてお金を借りれるのに、ヤクザ呼ばわりはちょっとおかしいんじゃないですか?
それにつけあがってお金を返さないというのは本当に意味が分からない!お金を返せる自信がない・他人に迷惑をかけたくないなら、貰える金額は減るけれども機関保証という手だってあります。満額貰っておきながら、返せないというのもすごい傲慢ですよね。
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奨学金を借りるのはなぜ?
海外では自分で学費が払えない場合は、高校卒業後に一度働いて学費を溜めてから大学にくるパターンが多いです。日本ではストレートに大学に行くものだという"勘違い"もこうした奨学金の借り手が多くなっているのも確かです。
もちろん、日本で大学卒業後に就職する為には一定の若さが必要です。これは新卒一括採用のデメリットと言えますが、そんなのは言い訳になりません。働いて大学に行っても就職先が無いという単純なロジックしか思いつかない人の方が悪いです。
在学中に稼ぐ方法もあります。また、働いて勉強して再び良い大学に入りさえすれば新卒一括採用で就職できないにしても、中途等で就職できる道もあるわけです。要はその人が優秀であるかないかだけで、新卒じゃないと採用してもらえないという単純思考は短絡的ですね。
よって、奨学金を絶対に借りなければならないという状況はないので、「お金がないから大学に行けない」ではなくて、「お金がないから働いてから大学に行く。」もしくは「こうした制度を利用してお金を借りながら大学に行く。」で良いと思います。
貸す為の奨学金だけでなく、給付の奨学金もある
http://www.jasso.go.jp/jyouhoukoukai/documents/25jigyou.pdf
上記は学生支援機構のお金の出入りについての資料です。
学生支援機構には補助金が入っているとは言え、積極的に活動している人にはお金を給付するシステムが出来上がっています。海外の短期プログラムでも8万円前後のお金を毎月補助してもらえるのです。
学生支援機構は、お金を貸して利潤を取るような法人かもしれませんが、そこから広くたくさんの人をサポートしているという事実にも目を向けないといけないでしょう。
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奨学金はどう考えてもお得
返せないなら借りるな!とは言うものの、奨学金をなぜみんな借りないのだろうという疑問もあります。もちろん、お金を借りる事に恐怖感を抱いている人もいるわけで、「借金なんかしたくない...」という人も一定多数存在します。
ただ、お金を借りたくはないけど、お金がないのでバイトに明け暮れてしまうという状況に陥っている人も大勢います。大学に行っているのに、学位を取る為だけにバイトを頑張ってるとしか考えられません。もったいない。
学生の内にできることってたくさんあるわけです。バイトよりもインターンシップも良いですし、フィリピンへ語学留学もいいかもしれません。また、色々な学生団体で体験するのも良いでしょう。そうしたレバレッジを自分に効かせて、大学生活の費用対効果を高めるべきなんですよね。もちろん、学業も一生懸命に。。。
また、現在のアベノミクスを考えれば、これから物価は高くなっていく!という方に賭けた方が良いわけで、借りたお金をそのまま保管しておくのも良い手でしょう。社会人になって金利の上限が3%もしくは無金利なんてものは存在しないので、逆に今借りなくていつ借りるの?って話です。
ま、この考えは学生支援機構の理念とは異なるので、聞き流してくれれば結構です。勉強の目的で借りましょう。僕もそうしています。ただ、「学外活動も頑張るのでお金が必要です。」と書いても僕はお金を借りれてますので、学生の身分を十二分に活かせるのなら借りても良いのかもしれません(返せるのなら)。
借りるのはいいのですが(返せるなら)、お金の管理も大事です。今のうちに家計簿などをつけておくのも重要なことだと思います。
文科省と奨学金の問題点
まぁこうして奨学金を貸し付けて、その返済に悩んでいる人がいるという事実は実際にあるわけで、その対処的な療法をどうにか考えなければいけないのも事実かもしれませんね。
それと同時に、外国から日本へ来ている留学生に対する給付型の奨学金も見直さなければならないと思うのです。
日本の大学に交換留学で来ていたアメリカ人やフランス人はみんな10万円近くのお金を日本の政府から貰っていました。ありえないです。笑 僕がこうしてアメリカへ留学に来ていますが(過去に留学していましたが)、そんな制度はほぼありません!アメリカ政府が留学生にお金を上げるということは想像もできません。アメリカの大学のプログラムで給付をする制度はありますが、超一部のデキるやつにしか援助しません。
なぜ日本政府がそうした数多くの(しかもデキるやつ如何に関わらず)留学生の面倒を見なければならないのか、意味が分かりません。そうしうたお金こそ日本人に給付するべきでしょう。
また学生支援機構への課題として、補助されたお金がどれほどの成果が上がっているのかは、補助金をもらっている法人として明確にしなければならないでしょう。ソフトな評価はとても難しいところですが、こうした人材が国力となっていくことには変わりはないので、この評価の仕方を含めて、学生支援機構にはフィードバックをしてもらいたいです。
単にお金を貸し付けて返済をするだけの法人ではなく、貸し付けたり給付したお金がどのようにして日本の人材を育んでいるのかを報告してもらいたいと思っています。じゃなきゃ、ただの金利の良いローン会社なだけです。税金を使っているからこその義務も果たしてもらいたいですね。
そうした点からも優秀でない学生には奨学金を与えるべきでないと考えます。もちろん平等に機会を与えるべきですが、大学受験と奨学金に関しては何の関係もありません。中学や高校で頑張った人だけがお金を貸してもらえるような制度にしなければ、いわゆるFランと呼ばれる大学に行ってお金を借りる事ができたとしても返すのに凄く苦労するでしょう。
全体的に、奨学金を借りる側も貸す側も、その学生が奨学金の見返りとして何を得たのかをきちんと明確にしなければならないでしょうね。
まとめ
ということで、いつも批判されがちな学生支援機構を守っているかのような記事になってしまいましたが、普通の事「借りたお金は返す。返せないなら借りない」を言っているだけです。
この記事の構想は数ヶ月前からあって、ずっと下書き状態でしたが、「延滞者の50%は実は返すのを知らなかった」という情報を聞きつけて怒りの執筆を行ったのです。笑
なにわ金融道やウシジマくんに触発されたわけではないのですが、お金を借りるという事はどういうことなのかをもう一度きちんと知ってほしいなと思いました。
学生支援機構も、「奨学金を返す事は、僕がお金を借りれたように、このバトンを後輩達にも繋げる。」という暖かみのあるビデオを流すよりも、ウシジマくんの映画でも流した方がいいんじゃないかとも思えるのです。笑
ということで、借りたお金は返しましょう!という記事を600万円の奨学金を借りている僕からのメッセージでした*3。
では!